水準儀
水準測量には古くから水準儀(レベル)がつかわれています。望遠鏡とこれに平行な気泡管からなり気泡を水平を示す位置に設置したとき望遠鏡の視準線も水平となります。近年はレベルの鉛直軸を動かさずに高低微動ねじを回転させ気ほうを合致させることによって望遠鏡だけを僅かに傾斜させ水平な視準線を得ることができる機能を持ったチルチングレベルがつかわれます。また重力を利用して自動的に水平が得られるもの(自動レベル)もあります。
右の写真上段は一等水準儀、カール・バンベルヒ社製で国立科学博物館所蔵です。中段は二等水準儀、オットー・フェンネル社製でこれも国立科学博物館所蔵ですが陸地測量部でつかわれていたと説明にありました。下段は一等水準儀、カール・ツアイス社製で2002年7月に測量・設計システム展に国土地理院が出品した古い機器です。
右の写真はスイスのウイルド社製N3型水準儀(レベル)で1950年代から1970年代まで使用されていました。国土地理院の測量機器性能基準では「レベル1級」になっていますが国際標準(ISO)ではレベルの精度(能力)は1キロメートルの往復測量で決定できる高低差の標準偏差で表現し0.4ミリメートルになっています。最大視準距離は50〜60メートルです。
右の写真はドイツのカール・ツアイス社製Ni002型水準儀で国土地理院では1979年(昭和54)から使用されているものです。最大視準距離は50メートルで自動的に水平が維持でき観測者がどの位置にいても覗けることができます。この写真は日本水準原点前で撮ったのですが水準儀の右にある円筒状の柱は初期のカール・バンベルヒ社製の水準儀を設置して水準原点を視通するための台です。現在はつかわれていません。
経緯儀でも水準儀でも望遠鏡の接眼部での映像は正立像と倒立像の場合があり機種によって決まっています。水準測量の際には標尺の目盛数値も正、倒立に合致したものが必要です。
電子水準儀
国土地理院では1994年(平成6)電子水準儀(デジタルレベル)を利用しています。バーコード付きの標尺を併用することにより自動的に数値が表示される仕組みになっています。写真はライカ(ウイルド)社製NA3003型電子水準儀とツァイス製DiNi11型電子水準儀です。最大視準距離はともに40メートルです。
標尺台
標尺を地面に置いたときに標尺の沈下をふせぎ、また位置が変わらないよう標尺台がつかわれます。写真の例は鉄製で上面は直径15センチメートル程度の円盤、下面は球面三角形になっていますが、いろいろな形があります。国土地理院では道路表面のアスファルトの軟化による沈下を防ぐため陶器製のものが開発されています。